尤度比
そもそも
尤度
とはなんぞや。
ものすごく簡単に言えば“~らしさ”という一言で終わる。
~らしさ = likelihood
計算式としては
陽性尤度比 = 感度 / (1-特異度) positive likelihood ratio
陰性尤度比 = (1-特異度) / 感度 negative likelihood ratio
である。ここは暗記。
たとえば
感度80% で 特異度70% の検査があるとする。この検査で陽性が出ました。
このときのlikelihood ratio (LR) は
0.8 / (1-0.7) = 2.6
となる。
~活用の仕方の例~
ある疾患の事前確率が60%だったとする。
このときの検査前のオッズについてまず考える。
検査前のオッズとは、事前確率(疾患がある割合)Aとそうでない場合(疾患がない割合)Bの比になる。
B = 1 - A
となるので検査前のオッズは
A / B = A / 1 - A = 0.6 / 0.4 = 1.5
となる。
検査後のオッズ = 検査前のオッズ ✖ LR
なので、仮にLR:18 の検査が陽性ならば
1.5 ✖ 18 = 27
が検査後のオッズである。
ここからは逆算である。
今の状態をまとめてみると
ある人が受診してきました。おそらく60%の確率で疾患Aである。
LR:18で陽性の検査をしました。
すると検査後のオッズが27となりました。
といったところである。
検査後の確率をXとすると
X / (1 - X) = 27
を解けば
X = 0.96
となるため検査後の確率は96%と求めることができる。
数学と同じで公式を覚えて簡単な一次方程式を解くだけ